神奈川大学 工学部 電気電子情報工学科

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Department of Electrical,Electronics and Information Engineering

センサレス&トランスミッションレス!日本初の「電気自動車」開発ドキュメント

3章 「開発ノート」 ~電気自動車はこうして作られた~

モータ駆動制御技術

トランスミッションを必要としない、また位置速度センサのモータへの装着を必要としない電気自動車ST-EVの開発に先だって、高度なモータ駆動制御技術(センサレスベクトル制御技術)を独自開発した。 技術開発のための供試モータとしては、数百[W]クラスから開始し、徐々に軸出力を向上し、最終的には60[kw]クラスを操れるようになった。この上で、バッテリー電源を用いたST-EVに利用できるように低電圧化技術を開発した。すべてが独自技術である。
30(kw)誘導モータを用いた駆動試験

30(kw)誘導モータを用いた駆動試験

30(kw)誘導モータによるゼロ速度近傍でのセンサレス応答

30(kw)誘導モータによるゼロ速度近傍でのセンサレス応答

主電源と補器電源

「我々はバッテリー(蓄電池)技術の専門家ではない」との認識の下、バッテリーとしては、急速な充放電が可能で、重量当たりの蓄積エネギーの大きいものが良い。バッテリー技術の自己実力を考慮の上、EV用には最適ではないが鉛バッテリーを用意した。 12[V]の鉛バッテリー10個を直列接続し、主駆動モータ用の主電源120[V]を得た。また、主電源に一様に負荷をかけるように、主電源をDC/DCコンバータで減圧し、諸々の補機電源とした。
DC/DCコンバータ、保護用の遮断器など

DC/DCコンバータ、保護用の遮断器など

直列接続の鉛バッテリー、電源スイッチなど

直列接続の鉛バッテリー、電源スイッチなど

天の差配か、魂の叫びか?

EV開発の装置も設備もなく、さらには開発予算もない状態の中で、「前人未踏のST-EVの開発」を発想した。このとき手元にあったものは、誘導モータの独自駆動制御技術と「建学の精神(積極進取と質実剛健)」であったであろうか。 「開発用の装置・設備がなければ、借りればよい」、「金はいずれ何とかなるであろう」と思わせるほどに、EV開発の衝動は強かった。 事は、魂の発想通りに展開し、某工場の借用契約が成立した頃、突如某企業の協力が降って来た。かくして、EV史上初のST-EVは完成した。
大学の広報雑誌を飾った新中教授

大学の広報雑誌を飾った新中教授

借用工場でEV開発中の新中教授

借用工場でEV開発中の新中教授