電気電子情報工学科からは、波動電子工学研究室、量子デバイス研究室の5つの研究がポスターで紹介されていました。雨の中の開催にもかかわらず開場と同時に多くの人が展示ブースへ流れ込み、担当の学生に研究内容について色々と質問をしていました。質問を受けた学生も、自分の研究が他学部や他の方が専門とする研究や製品へ応用され役に立つ可能性を感じ、色々な方と研究を通じてコミュニケーションすることで貴重な経験や多くの刺激を受けていると話をしてくれました。

まず最初に「神大テクノフェスタ2023」開催委員長の中尾陽一先生より開会挨拶があり、今年のサブテーマである「住み続けられるまちづくりを」について説明がありました。サブテーマに関連した建築や不動産をメインにした講演会で、1人目は「東京R不動産」の運営や建築・リノベーションに関する数多くの著書で有名な馬場 正尊氏が講演をおこないました。椅子が足りなくなる程の盛況ぶりで、急遽予備の椅子を出して対応するなどのトラブルがあったものの、講演終了まで誰1人として帰る事なく馬場氏の講義を聞いていました。 2人目は本学教授である高橋 寿太郎先生が講義をおこない、日本では学部学科がない「不動産」と「建築」の丁度真ん中を追求することの説明やリノベーションにおける不動産パートからのサポートの内容についての講演がありました。

本学科からは電気電子情報工学科の根岸 信太郎 准教授が「カーボンニュートラル社会実現に向けたエネルギーディスパッチシミュレーション技術」についてプレゼンテーションをおこないました。先に行われた講演会と同様に「ハイブリット開催」でしたが、予定時間になっても講演を行う先生は現れず、驚くことにスクリーンの向こう側で遠隔でスライドを操作しながらプレゼンテーションが始まりました。会場に設置された大型スクリーンに写した資料とスピーカーから聞こえる講演内容を来場者の方々が会場の椅子に座って聞くという新鮮な光景で、少し先の未来で普通に行われるかもしれない講義や講演の形を連想するようなプレゼンテーションでした。

数多くの企業とその担当者の方々がそれぞれのブースにスタンバイしていて開始前から会場は熱気に包まれており、例年にない採用側の意気込みを感じられる雰囲気の中で企業交流会が始まりました。昨年までとは違いテーブルをあえて使わず椅子が並ぶブースレイアウトで学生と企業の距離をより近くする工夫がされており、はじめは緊張気味だった学生も積極的な企業担当の方に笑顔で応え徐々に打ち解けていました。1ブース5社前後で数箇所にブースが設けられており、学生は順番に移動し色々な企業担当の方に貴重な話を聞いていました。例年同様、自社のパンフレットを広げ仕事内容や会社概要を説明している企業が多いなか、パンフレットの代わりにタブレットを使って説明している企業もありました。学生に交じって先生も現状の採用状況など生の声を聞いて情報収集をおこなっていたのも印象的でした。

あいにくの小雨交じりの天気ということもあり、例年実施されている1号館の壁を利用した実演展示はおこなわれていませんでしたが、12月の大会で使用する実機と同じ構造をもつ機体が展示されており、昨年に続き本学科の電気電子情報工学科に在籍している居川昇陽さんが大会への想いや意気込みとともに機体の構造や仕組みを熱く語ってくれました。次の大会では2段階で速度調整をおこなうスピードに特化した機体の投入を予定しており、前半を担当するブースターと後半を担当する本体を組み合わせた操縦担当の絶妙な連携が必要な機体で挑戦するとの事で説明もに熱が入っていました。展示されている機器のクォリティや精度もさることながら、雨の中にもかかわらずメンバー同士楽しそうにコミュニケーションをおこなっており昨年以上にチームワークも良さそうな雰囲気でした。