科学技術の発展などに伴い、現代社会には複雑化・多次元化した大量のデータ(信号)が溢れています。これらの多種多様なデータを扱うために、新しいデータ解析の枠組みの必要性が高まっているといえます。一見複雑に見えるデータにもシンプルな構造が隠れている場合があります。本研究室では、複雑なデータや事象から隠れた法則や効率的表現を⾒出すことを試みています。データそのものが潜在的にもつ本質的構造に着目し、主に調和解析の道具を用いた数学的アプローチによってそれを紐解く研究を行っています。
[連絡先]
fujinoki@kanagawa-u.ac.jp
[主な担当科目]
ディジタル信号処理、プログラミング演習
・信号処理、応用数学、金融工学
情報通信の基盤を支える信号処理技術の理論的な基礎研究と、音・画像・金融時系列データなどのあらゆる信号・データの解析や効率的表現に関する研究。
・フレーム理論と信号処理への応用に関する研究
・調和解析の金融市場への応用に関する研究
情報通信の基盤を支える信号処理技術の理論的な基礎研究と、実際の信号(データ)を対象にした数値シミュレーション解析に関する応用研究を行っています。理論と応用の両面を研究するスタイルで、音・画像・CG・医用画像や金融時系列データなどの多岐に渡る多次元信号を扱います。主に応用数値調和解析におけるフーリエ解析や時間周波数解析、サンプリング理論、スパース信号処理、フレーム解析、逆問題などの関連キーワードを用いて、信号の特徴抽出や効率的表現について研究を行っています。また、信号処理の金融市場への応用として、調和解析、機械学習、最適化理論等を用いて、金融時系列データの分析と市場予測や、人口市場シミュレーションなどの金融工学に関する研究も行っています。
発表論文
1) K. Fujinoki, Frames and Multirate Perfect Reconstruction Filter Banks in Multiple Dimensions, Current Trends in Analysis, its Applications and Computation, P. Cerejeiras, M. Reissig, I. Sabadini, J. Toft (Eds.), Birkhauser, 2022.
2)K. Fujinoki, H. Hashimoto and T. Kinosita, On Directional Frames Having Lipschitz Continuous Fourier Transforms, Int. J. Appl. Comput. Math Vol. 7, No. 240 (2021).